2009年4月22日

レオナール・フジタ展


おかっぱヘアーに丸めがね。去年、たまたまつけたTVのモニターに映る藤田嗣治(以下フジタ氏)の風貌に釘付けになった。パリを魅了した異邦人。画家。

レオナール・フジタ展 オフィシャルサイト
in Fukuoka/2009,4,16/¥1,300/at Fukuoka Art Museum


平日の福岡の美術館にしては人が多い展覧会会場。フジタ氏の人気を感じつつ会場に足を踏み入れた。会場は大きく4つに分けて作品を展示。(以下参照)
・第一章 スタイルの確立 ー「素晴らしき乳白色の地」の誕生
・第二章 群像表現への挑戦 ー 幻の大作とその周辺
・第三章 ラ・メンゾ=アトリエ・フジタ ー エソンヌでの晩年
・第四章 シャペル・フジタ ー キリスト教への改宗と宗教画

第一章では「乳白色」よりもバックに塗られた「黒色」に目を奪われた。特に作品『横たわる裸婦と猫』の「黒色」には漆喰の様な深みと艶で驚いた。この「黒色」は実物を見なければ味わえない。また、フジタ氏の作品にはデザインを感じた。例えば、作品『タピスリーの裸婦』のバックの模様の存在感や全体のバランスはこのまま女性用商品の広告になりそうだ。自画像画にもフジタ氏のセンスの良さがうかがえる。

第二章は幻の大作が並ぶ。だまし絵の様な見れば見る程新しい発見がありそうな不思議な作品である。それから、未完の作品「馬とライオン」が続く。未完の作品の展示を見たのは生まれてこのかた初めての気がする。この作品を途中で放棄した理由とフジタ氏本人が未完のまま大切に保管していたとのこと。未完なりの物語がある作品として、とても興味深かった。そして、第二章は猫の絵で終わる。フジタ氏の絵には猫が至る所に登場する。とにかく、描写が素晴らしい。毛が細かく描かれフワフワとした触感が伝わってくる。

第三章に入ると、絵画よりも工作の作品が多く並ぶ。食器や家具、ミニチュア模型など多彩なフジタ氏を見せつけられた。文句無しのかわいさである。フジタ氏60代以降。

第四章の空間がいちばん好きだった。教会に見立てた会場である。静かな音が映像からうっすらもれており、美術館に音楽があるのも悪くない気がした。絵は上の方にあり見上げてみる形になる。いつか足を運びたいフジタ氏が構想、建設した「平和の聖母礼拝堂」。フジタ氏のエッセイ本でも述べられているが、戦争と縁多かったフジタ氏だからこそ思う平和への強い思いもこの礼拝堂には込められているように感じる。

戦争画が見れなかった事は残念であったが、今回の展覧会を通して表現者フジタ氏の自由な発想とセンスの良さを体感し、改めて実感した。


追伸:藤田最後の妻藤田君代さんが2009年4月2日永眠(98歳)。ご冥福をお祈りいたします。


 

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